チキン・ソテージョージが犬を嫌っている理由

1995年1月17日、当時俺が住んでいたとある街が阪神淡路大震災で被災した。

難を逃れた人間達はいち早く逃げ出し被災地には元飼い犬と思われる犬が街中に解き放たれていた。

半野生化した犬はエサとなるものを探し街を徘徊し時には人をも襲った。

人間が自分のエゴで飼っていたペットが人間を襲う。皮肉なものだ。

そんな中、当時4歳だった俺はとある用事で被災した地域に出向いた際、野生化した一匹の犬とばったり対面してしまったのである。

当時から犬嫌いだった俺は犬が視界に入ったと同時に一目散に逃げた。

飢えた犬は俺に気づき後ろから猛スピードで追いかけてくる。しかもさっき一匹だったはずがなぜか二匹になっている。

「やばい、追いつかれる。」

そう判断した俺はとっさに近くにあった垣根に飛び込み犬を撒こうとした。

しかしそれは嗅覚の優れた犬にとってはまったく意味のない行動だった。

垣根にダイブして二匹の犬を一時的に撒くことはできたが、その時には既に三匹目の犬が垣根の真後ろで俺を待ち構えていたのだった。

三匹目の犬と目が合った。

俺の記憶はここまでである。

あまりの恐怖から気絶してしまったようだ。

朦朧とした意識の中で誓った。

「この世から犬を廃絶してやる。」