もともとアニメをそんなに見る方ではないけど、僕が3DCG業界で働いていたときに関係者からアニメ「SHIROBAKO」を勧められてドンハマりしたのが4年前のこと。
今回の劇場版も現実の時系列と同じく4年後の話らしいので、見返すこともせず映画館に足を運んでみた。
ということで、元3DCGアニメーターの個人的な感想を
- 遠藤亮介
- スーパーメディア・クリエイションズでのやりとり
の2つに絞って語っていきたい!
劇場版SHIROBAKOネタバレ
作品の全体的な感想を言うと、内容よりも登場人物のそれぞれのストーリーに目が行ってしまった。
特に僕が今回一番目頭熱くなったのは、遠藤亮介だ。
映画前半で「空中強襲揚陸艦SIVA」の制作をムサニが請負うことが決まり、宮森がスタッフを集めていくんだけど、観てる側としてはどんどんキャラクターが登場してくるからテンション爆上げだった。

しかし、みんなわりと協力的な中、唯一遠藤さんだけ断固拒否しているわけよ。
もうわかりやすくゲーセンで腐っているわけよ。
「タイマス事変」の詳しい描写が無いからわからないけど、回想シーンで遠藤さんだけが感情的だったのをみると、人一倍思い入れが強かったんだと思う。てか、そう言ってたし。
だから腐るっていうのはわかる。
でもそこに下柳雄一郎や瀬川美里が説得しにいくのがいいんだよね~

遠藤さんが説得に素直に応じることはなかったけど、だんだん変化がみえてくるところでもう泣きそうだった。
そして極めつけは遠藤の妻!!(名前忘れた)
あのスーパーで働いてる感じと帰りに遠藤と一緒に変えるときに「なんかいいことあった?」みたいに聞いてくる感じ。

それとコンビニの外で缶ビールを飲むときに、妻の爪が剥がれてんのね。妻、けっこう働いてんだよきっと。
遠藤さんもシゴトしなきゃとは思ってんだけど、プライドの高さがエベレストだから劇場版の話を引き受けられないんだよな。

だけど、そういう登場人物が一人いないとリアリティが出ないのよね。
僕がこの作品好きな理由って、ちゃんと登場人物それぞれのストーリーがリアルに描かれているところだ。
実際僕が働いていた会社にも遠藤さんみたいなディレクターいたからね。そういうのもあって、SHIROBAKOという作品に感情移入しやすいってのがある。
元3DCGアニメーターの個人的感想

それと、元3DCGアニメーターからみた劇場版SHIROBAKOのあるあるシーンについて。
それは藤堂美沙が働いているスーパーメディア・クリエイションズでのやりとり。
藤堂美沙が男性スタッフと急カーブを曲がる時の車の軌道についてのやり取りが、共感度くそ高いのだ。
ちょっと細かく説明すると、これはモブの車のアニメーションを作っている男性スタッフがいて、彼のアニメーションに対して藤堂美沙が現実的にその勢いでカーブを曲がるのは、つじつまが合わないと指示をしているんだけど、
男性スタッフはそれを理解した上で指示を反映させると納期に間に合わないと反発。
すると藤堂美沙は理解してやらないのと理解せずに適当に作るのは違うと主張。
こんな感じのやりとりなんだけど結局男性スタッフが折れるわけよ。
でもこれと同じことで僕もディレクターと揉めたことあったから他人事ではなかったのだ。

要はクオリティを求めるか納期を重視するかの違いだよね。マジでこのへんに関しては毎回ストレスを抱えるテーマなので、観ていてしんどかった(笑)
それともう一つあって、それは女性スタッフに作業進捗を確認しているとき。
「いつまでに仕上がりそう?」という藤堂美沙の問いに対して「いつまでに仕上がると思いますか?」と聞いてきた女性スタッフ。
これは…1年以内に辞める人にありがちな思考パターンやん

基本的に自己肯定感が極端に低い人は3DCGというかアニメーション業界を辞めがちで、この女性スタッフのような人を僕も何人か見てきたので、同じくしんどかった(笑)
まだ続編行けんじゃね?

今回は遠藤さんの件とスーパーメディア・クリエイションズのやりとりについて書いてみたけど、映画全体のシナリオ見るとまだストーリーは続くように感じたのは僕だけだろうか?
宮森もこれからまだまだ出世するだろうし、アニメーション同好会元メンバーのさらなる活躍はあってもいい。逆に絵麻かしずかが、どん底路線に走るのもありだと思う。
その他にも矢野エリカスピンオフとかそういうのも全然やって欲しいくらいなので、これかのムサニ(P.A.WORKS)さんに期待しています。
結論
木下誠一見せ場ありすぎw
