格闘技を観ていて「この人たちっていくら稼いでいるんだろ…」と思ったことはありませんか?
毎日過酷な練習をこなしてやっとの思いでリングに上がる。しかも勝つか負けるか分からない試合に。
そんな命を削るような職業っていくら稼げるのか?
今回は世界最高峰の格闘技団体であるUFCに参戦する選手のファイトマネーを調べてみました。
UFCトップ選手のファイトマネーがエグい
UFCはアメリカの総合格闘技団体で世界中の猛者が集まることからレベルの高さは世界一。もちろんファイトマネーも破格です。
例えばK-1やPRIDEで活躍した日本でも有名なマーク・ハント

彼が有名になったきっかけであるK-1ワールドグランプリの優勝賞金はなんと4000万円!
4000万円ってすげーな!と思うかもしれませんが世界はこんなものではありません。
マークハントが「UFC200」という大会で稼いだファイトマネーはなんと1試合で70万ドル。日本円にして約7000万円!これ1試合の金額ですよ?
K-1では年間を通して世界予選を勝ち抜き、決勝で1日3試合もする過酷なトーナメントのギャラが4000万円。
かたや1試合で7000万円のUFCなら夢があるのがどちらかなんて言うまでもありません。
このようにUFCは毎回巨額が動くビッグイベント。メインで戦えるレベルのファイターはこれくらいの金額をもらって当たり前の世界なのです。

その証拠にこの試合でマーク・ハントと戦ったブロック・レスナーのファイトマネーは破格の250万ドル。日本円にしてなんと約2億5000万円。
UFCでは勝利した選手や良いパフォーマンスを魅せた選手にファイトマネーとは別にボーナスが出るなど太っ腹なことでも有名。
さらに選手個人で契約しているスポンサー企業やPPV(ペイ・パー・ビュー)と呼ばれる有料放送のインセンティブも入るので年収はエグい金額になるのでしょう…

有名選手のファイトマネー
ではここからはUFCで現役で活躍する選手、以前参戦していた有名選手たちのファイトマネーを見ていきましょう。
ジョン・ジョーンズ

MMA史上最強の呼び声が高い最強王者。私生活はボロボロですがその強さと評価は抜群。
2012年「UFC145」のラシャド・エヴァンズ戦でのファイトマネーは40万ドル(日本円で約4000万円)
この後も無敗街道を突っ走り2017年「UFC214」でのダニエル・コーミエ戦では50万ドル(日本円で約5000万円)。
2018年「UFC232」アレクサンダー・グスタフソン戦、2019年「UFC235」アンソニー・スミス戦、「UFC239」チアゴ・サントス戦でも同じく50万ドルを稼ぎ安定した高額ファイトマネーを獲得しています。

コナー・マクレガー

ジョン・ジョーンズが強さの象徴ならこの人はスターの象徴。
圧倒的なパフォーマンスで世界中の格闘家に多大な影響を与えているUFCを代表する選手です。
王者獲得前の2014年「UFC178」でのダスティン・ポイエー戦で15万ドル(日本円で約1500万円)。
UFCに限らず格闘技では階級が重ければ重いほどファイトマネーが高い傾向がある中、フェザー級で15万ドルを稼ぐのはこの時点で高い評価を得ていたのでしょう。
2015年に行われた「UFC178」の王座決定戦では対戦相手のジョゼ・アルドが40万ドルであるのに対し、マクレガーは50万ドル。
「UFC196」のネイト・ディアス戦では100万ドル(日本円で約1億円)までギャラは跳ね上がりました。
一度引退した後の復帰戦である2020年「UFC246」のドナルド・セラーニ戦では300万ドル(日本円で約3億円)と世界を代表する高額マネーファイターになりました。

アンデウソン・シウバ

全盛期の強さはまさにカリスマ。MMAのパウンド・フォー・パウンドでは常に上位に君臨してました。
2011年の「UFC134」岡見勇信との対戦で20万ドル(日本円で約2000万円)、2012年「UFC148」チェール・ソネン戦で20万ドル(日本円で約2000万円)
2013年「UFC162」クリス・ワイドマン戦では60万ドル(日本円で約6000万円)、「UFC168」の再戦では80万ドル(日本円で約8000万円)
キャリア終盤の2015年「UFC183」ニック・ディアス戦でも80万ドル(日本円で約8000万円)を稼いでいます。
UFCで24試合していることから稼いだ金額は相当なものになるのではないでしょうか。

アリスター・オーフレイム

日本ではPRIDE、K-1、DREAMと様々な団体で活躍したステスターことアリスター選手。
ステロイド使用疑惑が出るほど異常なまでに発達した筋肉で数々の選手をマットに沈めました。そんなアリスターもUFCに移籍して大成功を収めた選手の一人。
2017年「UFC209」で行われたマーク・ハント戦のファイトマネーは75万ドル(日本円で約7500万円)
最重量級で戦っていることもあり1試合あたりの単価が高く、その後も「UFC213」ファブリシオ・ヴェウドゥム戦で80万ドル(日本円で約8000万円)を稼ぎ出すなど現在のUFCでトップ級に稼いでいる選手なのです。

ミルコ・クロコップ

格闘家と聞いて真っ先に彼を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。ヒョードルに負けるまでのミルコの殺気は恐ろしいものがありました。
ミルコもPRIDEが事実上消滅してからアメリカで活躍した選手の一人。日本では高額ファイトマネーのイメージがありましたがUFCでも稼ぎました。
初参戦となった2007年「UFC67」のファイトマネーが40万ドル(日本円で約4000万円)という破格のデビュー。
続く「UFC70」ガブリエル・ゴンザーガ戦では35万ドル(日本円で約3500万円)、「UFC75」のシーク・コンゴ戦でも35万ドル(日本円で約3500万円)と稼ぎまくります。
その後一時DREAMに参戦しますが2009年の「UFC99」で復帰。
しかしキャリアの後半「UFC137」のロイ・ネルソン戦では7万5000ドル(日本円で約750万円)と全盛期と比べてかなり安くなってしまいました。
しかしながらUFC離脱後もRIZNに参戦してしっかり稼いでいたので比較的息の長い選手と言えるでしょう。

ヴァンダレイ・シウバ

PRIDEで大活躍した人気ファイター。UFCに参戦してからは以前のような連勝はできなくなってしまいましたがそれでも人気は抜群。
2011年「UFC132」で行われたクリス・リーベン戦では負けてしまったもののこの試合で稼いだファイトマネーは20万ドル(日本円で約2000万円)
シウバに勝利したクリス・リーベンのファイトマネーが勝利ボーナス込みで9万2000ドル(日本円で約920万円)なので、試合で負けても人気選手の方が稼いでいる場合があるのです。
ちなみにこの後の「UFC139」で行われたカン・リー戦でも同じく20万ドル(日本円で約2000万円)を稼いだようです。

マウリシオ・ショーグン

ショーグンもPRIDEで活躍した選手。UFCに渡ってからも王者になるなどトップ戦線で活躍しました。
「UFC139」で行われたダン・ヘンダーソン戦でのファイトマネーは16万5000ドル(日本円で約1650万円)
ちなみに勝利した相手のダン・ヘンダーソンは25万ドル(日本円で約2500万円)。PRIDEで活躍したレジェンドが高評価をされていると嬉しいですね。

デメトリアス・ジョンソン

山本KID徳郁や堀口恭司に勝利経験があるパウンド・フォー・パウンド最強候補の一人。
強さこそ圧倒的なものなのですが彼が不幸だったのは階級が軽いこと。
階級が重い方が稼げる傾向にある格闘技では彼のような選手が不憫でならないのですが、それでもこの階級ではずば抜けて稼いでいた選手です。
UFC初参戦となった2011年の「UFC126」では勝利ボーナス込みで1万ドル(日本円で約100万円)と安い金額でしたが、王座を獲った2013年以降はファイトマネーが少しずつ増加。
「UFC on FOX 8」のジョン・モラガとの防衛戦では5万8000ドル(日本円で約580万円)、2014年の「UFC178」では18万3000ドル(日本円で約1830万円)と3年で20倍近くもアップ。
その後2016年の「UFC197」では19万1000ドル(日本円で約1910万円)を稼ぐまでに成長。この階級最強の座を証明しました。

ハビブ・ヌルマゴメドフ

マクレガーを圧倒して一躍世界に名を轟かせた無敗のハビブ・ヌルマゴメドフ。
王者獲得前の2017年に行われた「UFC219」でのエジソン・バルボーザ戦で16万ドル(日本円で約1600万円)でしたが「UFC229」でのコナー・マクレガー戦では200万ドル(日本円で約2億円)を獲得。(試合後の乱闘騒ぎで50万ドル没収)
さらに「UFC242」でのダスティン・ポイエー戦では600万ドル(日本円で約6億円!)もの大金を稼ぎました。
華という面ではマクレガーに劣るものの、実力ではっきりと差を見せつけたヌルマゴメドフ。
華はなくても圧倒的な強さがあれば稼げるというのが実力主義のアメリカらしいですね。

日本人選手のファイトマネー
現在は数が減ってしまいましたがUFCには日本人選手も参戦しています。
RIZINのような大手団体を除けば格闘技一本で生活していくのは困難と言われている日本の格闘技界ですがUFCではどうなのでしょうか。
堀口恭司

近年UFCで活躍した選手の代表といえば堀口選手でしょう。現在はRIZINを戦場にしていますがかつてはUFCフライ級ランキング最高3位に上り詰めたこともあります。
2015年に行われた「UFC182」でのルイス・ゴーディノ戦のファイトマネーは4万ドル(日本円で約400万円)と今まで紹介した選手と比べると少しスケールは落ちますが、対戦相手のルイス・ゴーディノ選手が1万ドル(日本円で約100万円)と考えるとかなり良い待遇であったことが分かります。
RIZINに参戦する前の2016年に行われた「UFC Fight Night: Mousasi vs Hall 2 」では勝利ボーナスを含めて5万7000ドル(日本円で約570万円)まで上がりました。
UFCから「君は視聴率を持っていない。PPVが売れないし人気もない」と評されファイトマネーに限界を感じたこともあり2017年からRIZINに本格参戦。現在はUFC時代よりもファイトマネーが上がっているそうです。

岡見勇信

日本人では古参の2006年からUFCで戦った岡見選手。現在はUFCから離れ「ONE Championship」で現役を続けるレジェンドファイターです。
2012年「UFC155」のアラン・ベルチャー戦でのファイトマネーは4万2000ドル(日本円で約420万円)でしたが勝利ボーナスでその額が2倍になり8万4000ドル(日本円で840万円)を手に入れました。
2013年の「UFC Fight Night: Teixeira vs. Bader」ではホナウド・ジャカレイと対戦し1R負けを喫するも4万2000ドル(日本円で約420万円)、2018年の「UFC on FOX 29」でディエゴ・リマと対戦し勝利ボーナス3万5000ドルを含んだ7万ドル(日本円で約700万円)を稼ぎました。
比較的重い階級であるミドル級で長年活躍していたので日本人選手の中ではギャラは高く評価されていた印象です。

水垣偉弥

2011年「UFC132」のブライアン・ボウルズ戦でのファイトマネーは1万2000ドル(日本円で約120万円)と価格は低めのスタートでした。
2012年「UFC144」ではクリス・カリアソに敗れるも物議を醸す判定だったため負けた水垣選手にも勝利ボーナスが支払われ合計で2万4000ドル(日本円で約240万円)、2014年の「UFC 173」ではフランシスコ・リベラと対戦し勝利ボーナス2万9000ドルを含む5万8000ドル(日本円で約580万円)を獲得するなど評価がアップ。
後半では「UFC 178」のドミニク・クルーズ戦で3万2000ドル(日本円で約320万円)、「UFC 202」のコディ・ガーブラント戦で3万9000ドル(日本円で約390万円)と安定した金額を稼いでいましたがUFCを離脱。現在はRIZINで活動しています。

秋山成勲

日本では「ヌル山」の愛称で知られる秋山成勲。
度重なる反則行為で日本格闘技界からは嫌われまくりの彼ですがその実力は折り紙付き。海外でも高く評価されています。
UFCデビュー戦となった「UFC100」ではアラン・ベルチャーと対戦。ファイトマネー4万ドルに加えて勝利ボーナス2万ドル、ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞して10万ドル追加の合計16万ドル(日本円で約1600万円)を獲得。
「UFC116」のクリス・リーベン戦で敗北するもファイトマネー4万5000ドルに加えて2試合連続でファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞し合計14万5000ドル(日本円で約1450万円)を獲得。
続く「UFC120」のマイケル・ビスピン戦でもファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞し合計14万5000ドル(日本円で約1450万円)を獲得。
UFCでは合計7試合を戦い1試合の平均ファイトマネーは4万5000ドル前後だったようです。

五味隆典

五味隆典のファイトスタイルは豪快の一言に尽きます。彼の試合をつまらないと言う人はいないでしょう。
軽量級日本代表として乗り込んだUFCでは世界の壁に阻まれPRIDE時代ほどの活躍はできませんでしたがそれでも豪快さは健在。
2011年「UFC125」でクレイ・グイダと対戦した際のファイトマネーが5万ドル(日本円で500万円)
その後も2012年の「UFC144」光岡映二との対戦では5万ドル(日本円で500万円)、2016年「UFC200」のジム・ミラー戦でも5万ドル(日本円で500万円)と1試合平均5万ドルで参戦していた模様。

山本KID徳郁

言わずと知れた格闘技界のレジェンド。
UFC時代を含めキャリアの後半は度重なる怪我の影響で活躍できなかった印象ですが、亡くなった現在も世界中の格闘家からリスペクトされ続けています。
2011年「UFC126」に初参戦。この際のファイトマネーは1万5000ドル(日本円で約150万円)とKIDの日本での人気と比べてやや低めの設定でしたが、対戦相手で後に絶対王者となるデメトリアス・ジョンソンが1万ドル(日本円で約100万円)なので当時はこのくらいが相場だったのかもしれません。
「UFC144」のヴァウアン・リー戦でも1万5000ドル(日本円で約150万円)、生涯最後の公式戦となった2015年の「UFC184」でローマン・サラザールと対戦し1万5000ドル(日本円で約150万円)でした。
金額こそ不明ですが個人的に全盛期は日本で一番ファイトマネーが高かった選手だったのではないかと思っているのですが…どうでしょうか?

UFCは女子格闘家も稼いでます
RIZINで女性ファイターの試合が組まれることが多くなり日本でも人気のジョシカク。
もちろん世界でもジョシカクは人気で、今や女子同士の試合がUFCのメインカードとして組まれることもあります。
当然UFCは女性でも人気になれば男性選手よりも稼げるのです。
ロンダ・ラウジー

UFC初の女性ファイター。
2015年のGoogle検索ランキング「全世界で最も検索された人物」で2位を獲得。「世界で最も有名な女性格闘家」と言えば間違いなくこの人です。
2013年「UFC157」のUFC女子世界バンタム級タイトルマッチのファイトマネーは勝利ボーナスを含めて9万ドル(日本円で約900万円)。対戦相手のリズ・カモーシェが1万2000ドル(日本円で約120万円)であることから破格のギャラであることが分かります。
「UFC168」のミーシャ・テイト戦は10万ドル(日本円で約1000万円)、「UFC170」のサラ・マクマン戦で11万ドル(日本円で約1100万円)、「UFC175」のアレクシス・デイビス戦では12万ドル(日本円で約1200万円)と着々にギャラがアップします。
そして「UFC184」のキャット・ジンガーノ戦では14秒で相手を極めて13万ドル(日本円で約1300万円)を獲得しました。

ミーシャ・テイト

ロンダ・ラウジーに引けを取らない人気があったのがこのミーシャ・テイト。現在はONEの副社長を務めています。
UFCデビュー戦となった2013年の「The Ultimate Fighter 17 Finale」では2万8000ドル(日本円で約280万円)を獲得。Strikeforceで実績が合った分比較的高めのスタートでした。
その後に行われた「UFC168」で女王のロンダ・ラウジーに挑戦。ラウジーが10万ドル(日本円で約1000万円)であるのに対し彼女は2万8000ドル(日本円で約280万円)と前回と変わらずでしたがここから彼女の人気が爆発。
2015年「UFC183」のサラ・マクマン戦では7万6000ドル(日本円で約760万円)と大幅アップ。「UFC196」ではホーリー・ホルムと対戦し9万2000ドル(日本円で約920万円)を獲得。
極めつけは「UFC200」のアマンダ・ヌネス戦。この大会ではメインで戦いファイトマネーは50万ドル(日本円で約5000万円!)と男性ファイターを凌ぐ稼ぎ頭になりました。

アマンダ・ヌネス

女性で初めて二階級を制覇した現役の女王で世界最強の呼び声が高いアマンダ・ヌネス。ミーシャ・テイトが5000万円稼いだ試合で勝利したのが彼女です。
女王になる前の2014年「UFC178」では1万5000ドル(日本円で約150万円)でしたが、「UFC200」ではミーシャ・テイトに勝利し20万ドル(日本円で約2000万円)を獲得。
その後も「UFC207」でロンダ・ラウジーを下し20万ドル(日本円で約2000万円)、「UFC232」でクリス・サイボーグを下し35万ドル(日本円で約3500万円)、「UFC245」でジャーメイン・デ・ランダミーとの再戦を制し35万ドル(日本円で約3500万円)を獲得するなど今最も稼ぐ女子格闘家に成長しました。

まとめ
世界中のMMAファイターがUFCを目指す理由はこれです。ここで結果を出し続ければ国籍、性別に関係なく富も名声も手に入れることができます。
有名な話ですがコナー・マクレガーはUFCに参戦する前は自国にて生活保護受給者であったほど貧しかったのですが今や世界中に別荘を持つ大富豪になりました。
日本の格闘家の中からも彼のようなアメリカンドリームを掴む選手が出てくるのかもしれません。
