以前レポートした大阪西成のあいりん地区
あいりん地区は日本を代表する貧困地域で多くの路上生活者がおり、現代の日本とは思えないディープな雰囲気がありました。
ところで日本にはあいりん地区の他にも路上生活者が密集する地域があります。その1つが今回ご紹介する荒川・河川敷です。
今も荒川にホームレスが住んでいる
荒川は埼玉県から東京都を流れる川で、川幅が2,537mの地点があるなど日本最大級の河川。
それだけ大きい川だけに河川敷には不法に占拠して⼩屋等を建てて起居しているホームレスがいることで有名です。
近年は国土交通省をはじめとした自治体が河川敷に起居しているホームレスの実態、不法に設置されている小屋や放置された荷物などを撤去するよう指導を行い、ピーク時と比べてその数は減少。しかし現在も河川敷で生活している人がいるということです。
ということでその様子を見るために荒川の河川敷に行ってきました。
荒川河川敷に行ってみた
今回は荒川の河川敷を歩きその様子を見てみようというもの。
歩いたのは「虹の広場」という場所から「堀切駅」までの区間。
のんびり歩いても1時間かからない距離▼
北千住駅から10分ほど歩き河川敷に到着。階段の先にはホームレスの集落があるのか?▼
と思ったら意外にもほのぼのした光景▼
虹の広場。小さな子どもが遊んでいたりと平和的な場所▼
ここから見る限りホームレスの家は一切見当たらない。▼
ホームレスは一体どこに住んでいるのか?公衆トイレから出てきたそれっぽい人に聞いてみると…

とのこと。
なので首都高速6号に向かって歩きます。▼
するとあっという間に家を発見!▼
ポツリと建つ不気味な小屋…▼
踏むとパキっと音がなる乾いた草で侵入者を警戒しているのでしょうか。これ以上は近づけませんでした。▼
近くにも同じ様な家があります。▼
小さめの家も。▼
この付近にはゴミが散乱。これはみかんの皮▼
酒▼
再び散策を開始。▼
見渡すといくつかの小屋が見えます。▼
その中の1つに接近してみることに。▼
よく見ると4軒の小屋集まっていました。仲間と暮らしているのでしょうか。▼
小屋の屋根にはネコの姿(寝てる)▼
鍋や水が入ったボトルなど生活用品が並べられています。▼
反対側の2軒目にも接近。自転車は必須アイテムのよう。▼
3軒目と4軒目▼
こちらはしっかりとした作りになっています。▼
さらに奥に5軒目を発見。全ての小屋で人の気配は感じませんでした。▼
干ばつ地帯と化した河川敷のグラウンドを抜けて高速道路を目指します。▼
こんな状態で野球ができるのだろうか。▼
踏む感触がムニュとしてて気持ち悪かった。▼
首都高速6号が見えてきましたがこの辺りは茂みがなく整備されているので小屋がありません。▼
と思ったら遠くの茂みに何かを発見。▼
近づいてみるとやはり小屋が。変な音も聞こえてくる。▼
茂みの奥にはラジオを爆音で聞くホームレスが…▼
気にせず写真を撮っていると…



怖くなったので逃亡。
おわり。▼
感想
今回僕が歩いたエリアでは9軒の小屋を発見することができました。
2019年に行われた荒川下流河川事務所の調査によると管内では227名のホームレス起居されているとのこと。
昔からこのエリアはホームレスが住み着くことが多く、地元住民からは「怖い」「見苦しい」といった苦情が発生。そのことから自治体と所轄警察の合同で平成7年からホームレス合同巡視を行っています。
対策の中でも特に問題として挙げられることが多いのが以下の2点
- ゴミの不法投棄や小屋の不法工作
- 台風、洪水のような災害時の危険性
自治体がゴミを処分しようとしても彼らは「自身の財産」と主張するので勝手に処分できないのが現状。さらに撤去に成功してもまた同じ場所に捨てるなどいたちごっこが続きます。そもそもゴミを捨てるのにも自治体が費用を負担する必要もありここにも無駄な税金がかかっているのです。
危機管理能力はあまりなく昔から荒れやすいことで有名な荒川ではホームレス男性が洪水で流され救助された例も。2019年に発生した台風19号では倒壊した小屋もあるということです。
不法に捨てられたゴミ▼
福祉部局は健康相談、施設入居や自立支援に関して活動をしていますがそれを利用する者はごくわずか。
意外にも思われるかもしれませんが、彼ら自身が望んでそのような生活をしているケースがあるので説得するのも大変なようです。
ただホームレスを追い出すだけでは解決にならないことは自治体は百も承知。彼ら自身が自立しなければ本当の解決にはならないのです。

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