古谷実作品が大好きな僕がオススメする漫画「わにとかげぎす」。
そのラストシーンにあった
- 死んでる人物は誰なのか?
- そこに隠された意味ってなんなのか?
について、この記事では書いていこうと思う。
漫画「わにとかげぎす」4巻のラストシーン
というのも、なんとなく久しぶりに読みたいなと思って今さっき一気読みしてみたら、通して面白い内容だったけど最後だけモヤモヤが晴れなかったので、
当時は意識して考えなかったこのラストシーンについて、今更ながらしっかり考えてみようと思ったのだ▼

引用元:コミックス「わにとかげぎす」4巻
一応内容をおさらいすると、
スーパーの警備員として夜勤の仕事をしていた富岡(32)が、隣の部屋に住むキレイなお姉さん羽田と交際して、人生が良き方向へ向かっていくところで終わる作品だった。(めっちゃ端折ってる)
このシーンの直前では、レンタルDVD屋でアルバイトしていた富岡が不良少年グループに見つかってしまうけれど、その見つけたグループの一人が「…いいや……めんどくせぇ…」と言って殺害を放棄している。
その次のコマで描かれているシーンが富岡の語りシーンになり、
自分のことをこの世の誰よりもわかってくれている 特別な人ができた
自分が生きている様を見ていてくれてる… 証人だ
いるといないじゃ大違い”虚栄心が強く”
”快楽指向で他社に同調的”
”すべてが成りゆきまかせ”
………か…まるで…オレに足りないものを…
すべて指摘されたような言葉だ…ちなみにこれは昨日のニュースで…
裁判長が殺人犯に言った言葉…
で終わっている。
この内容からはまったくもって、あの一コマの真相がつかめない。
わにとかげぎすのラストで倒れてるの誰なの?

引用元:コミックス「わにとかげぎす」4巻
じゃあラストシーンで頭から血を流して倒れている人物は誰なのか?ということだけど、富岡は普通にレンタルDVD屋から帰宅しているシーンがあるし、羽田は家で富岡を待っているシーンがある。
なので、通常の考えだとその2人が死んでいるわけではないことがわかる。
じゃあこの髪の長さからすると女性の可能性が高いので、4巻で出てきた死にそうな人物を考えてみると羽田を盗撮してた元彼の今カノらしき人物・加奈←なのかなと思った。でも、一切の死ぬ理由が無い。
そうなってくると、実在する人物が実際に死んでいるわけじゃない可能性が出てくる。
わにとかげぎすのラストの意味

引用元:コミックス「わにとかげぎす」1巻
つまり死んでるのが誰か?というよりこの描写に隠された意味を考えたほうが問題は解決すると思う。
実はこの意味に関していろんな説がファンの間で囁かれている。
でも、個人的には以下の2つの説かなと思うので紹介したい。
パラレルワールドの富岡説
富岡は2回死にかけている。
そう、あの山で2回死にかけた。本人にとっては死んだも同然と捉えていて、その経験から行き着いた答えが「死んだらおしまい」ということだった。
しかし、そこから富岡は羽田の影響もあって、変わることができた。
つまりラストシーンの死んでいるのは、「あのとき死んだ富岡」をリアルに描いたんではないかという見解だ。
この説だとものすごく作品としてストーリーが締まる内容だと思う。
予言された富岡の死説
物語の始まりは勤務中に一枚の紙が届いたところからだった。
そこに書かれていたのは「お前は一年以内に頭がおかしくなって死ぬ」というもの。
実際は雨川の出来心から生まれたイタズラだったけど、雨川は殺害者となるマインドを持っていた。
だから、あのまま従業員募集がかからなかったら、富岡は雨川に殺されていた可能性はある。
仮に殺されなかったとしても、あの予言に富岡の頭がおかしくなって死んでいたかも知れない。
まとめ
今回ラストシーンの意味について2つの説を紹介したけど、もちろん明確な答えなんて無い。
けれど、ひとつ言えるのはこの作品では最後に富岡が、羽田のことを
自分が生きている様を見ていてくれてる… 証人だ
いるといないじゃ大違い
と思っているあたり、やはり
羽田がいなかったら自分は死んでたということをあの一コマで伝えたかったんじゃないか?
というのが個人的な答えになる。
いい作品だった。以上。
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